2010年12月1日水曜日

怒れる中国人妻

市議会議員リコール署名に関連して、ある家庭を訪問したとき、その家の中国人妻が尖閣諸島漁船体当たり事故に関してこう言った。

「日本人は情けない。あんなビデオさっさと見せればいいのに」「もっと中国に強く主張すればいいのに」と発言して私を驚かせた。

彼女は日本人と結婚して得た子どもの将来を考え、日本はもっと強い立派な国にと願ったのだ。そして私以上に日本政府の外交に腹を立てている彼女をみて、日本人であるこちらが恥ずかしくなった。

昨日はNHKの人気番組「爆笑問題」でも「中国入門」というタイトルで日本人の中国人評、中国人の日本人評を闘わせていた。

尖閣問題で中国人デモに関して中国人自身が「一体何のこと」「13億人のうちたった1000人のことは大したことではない」という正直な感想に対して、それを大げさに報道したNHKは「中国人はさめている」というコメントで、報道姿勢の偏向を悟られるのをさりげなくかわした。

中国人はストレートだ。かつ「国」よりストレートに「個」を出してくる。中国人には歴史的に国境を越えて活動してきた経緯がある。これは欧米の個人主義に近い。日本人は共同体の中の一員として「奥ゆかしく」ふるまってきた国民性がある。

どちらがいい悪いという問題ではないが、混沌とした国際情勢の中、「個」の力を発揮しないと新しい時代は切り開けない。過去には日本でも戦国時代の織田信長、幕末の坂本龍馬や志士たち個人が活躍してきた歴史があるのだ。



集団が個の力を削ぐことは非常に多い。世界を変えるような人は集団にとっては常に異端児なのだ。現代の日本の教育、使命感のない公務員、責任をとらない企業人、情けない政治家たちはそれぞれの集団の論理でしか動けない。

自らいい悪いと価値判断する力が冒頭の「怒れる」中国人妻の足元にも及ばない日本人があまりに多いことにこれからの日本の行く末が思いやられる。

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