2011年9月22日木曜日

「政府紙幣発行で国内需要拡大」が日本の経済を救う

企業は生産を拡大する為に銀行からお金を借り、何年間は借りた金に金利を付けて返済する。
すなわち生産高から原価を引いた利益を、金利以上に稼がないと返済できないという訳だ。
さらに税金分も見込まなければならない。

企業の生産効率をアップさせれば、利益率は低くてすむが、皆が同じことを考えるので、結局モノ余りを招く。これが供給過剰となり値引き合戦となってデフレの一因となっている。国内需要でのGDPは伸び悩んでいる。

これまで輸出に頼って、GDPを確保していたが、長年の貿易黒字がかえって災いとなって、現在も続く未曾有の独歩円高となっている。

為替は実取り引き以上に投資により左右されるので、市場がアメリカの景気先行きと欧州通貨危機を深刻に考えている証左だ。要するに世界中のお金が米・欧州から引き上げ、新たな投資先をもとめて、日本に矛先を向けているのだ。

東日本大震災で深刻な日本に、、と思うが、世界市場はこれまで毎年10~20兆円も貿易黒字が蓄積している日本が安全と考えるのは、当然の流れかもしれない。

世界の富が日本に流れ続けたのは事実だ。これがやがて日本に災いを及ぼすと、官僚も政治家も経済学者も考えなかったのだろうか。アメリカの巨額の貿易赤字財政赤字がなんとかなると考えたのだろうか。リーマンショックが起きて、巨額の債務を背負った米金融機関を救うために米政府がドルをじゃぶじゃぶ投入しても、まさか米はつぶれることはあるまい、とさらに米債券を買い続けた日本政府はまったくノー天気と言われても反論はできないだろう。

これほど経済無策な日銀や財務省や経済音痴の政治家連中では、今後の日本の長期展望をにらんだかじ取りを期待するのは難しいのかもしれない。

しかし確実に大きな世界経済のうねりは津波のように押し寄せ、無策では日本社会を飲み込んでしまう。
これからどうなるのかを予測し政府が有効な対策を打つしかないのである。

円高には実際のドル余りに起因するが、そのドルが信用創造現象によりマネーが拡大し、さらに投機に向かい実際以上の円高を招いているのは事実だ。
例えば投機を抑える事できれば一つの円高対策になる。投機は何度も売買を繰り返して利ざやを稼ぐ。実経済の1年分をたった5日の投機為替相場が動かしているほどだ。そのために取引に0.5%程度の為替取引税を課すことが有効な投機対策になる。要するに利ざやのハードルを高くするのだ。

有効な円高対策を今打たないと、今後円高を嫌気して生産拠点を海外へ移す輸出企業が増えるだろう。政府はこれを心配してTPPという経済条約締結を検討しているが、とんでもない。

これは日本の農業を破壊し、巨大な米金融資本により日本の財産が投機対象になり、安価な労働者の大量流入をまねき、さらに日本経済を破壊する。
輸出はGDPのたかだか16%だ。また上記の円高対策などろ出来る限りの対策は打った上で、むしろこの生産がなくなったとして最悪を想定して経済対策をした方がいい。

経済はお金の絶対量ではなく、回り方ではあるが、はずみをつけるのはお金の投入だ。これまでは役人の就職先のハコモノや需要の少ない地方空港などに使われてきて、批判の多かった土木建築など基盤整備予算は、震災復興需要、来るべき災害対策需要、再生エネルギー需要などで増強せざるを得ないし、これが景気回復のはずみ車となるのだ。

これに対する予算確保を増税で賄うのはとんでもない。明らかに景気をどん底に向かわせるのは、過去に消費税を3%から5%に上げて以降、消費税総額が却ってダウンしたという現象がこれを証明している。

建設国債は60年償還なので、1000年に一度の大災害復興に向けるのはやむを得ないという意見も多い。
その通りだが、本来日銀ではなく国に認められている通貨発行権を行使した、政府紙幣の発行がその原資としては、最も優れている。
なぜなら、通貨流通が増えてデフレ対策になり、何より円安に振れる。国際的な抵抗もあるだろうが、未曾有の震災被害と現在もつづく原発事故被害、それに未曾有の円高環境がこれを理解してもらえるだろう。

フランクリン・ルーズベルトが実行して成果を上げたニューディール政策は現代日本にも通用する。その原資は逆効果を招く増税ではなく、未来につけを回す国債ではなく、政府紙幣が最も優れているのだ。

にもかかわらず、野田政権はひたすら財務官僚のいうがまま増税路線を突き進む。いままで官僚に先のビジョンが見通せたためしが無い。

その理由は彼らは日本の利益より自省の利益、自己の地位の安泰に最大の目的があるだ。日本の国益を考えるべき政治家が、官僚の呪縛から脱して、大胆な経済対策を打つ事が、今求められている。

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