昔ものはほとんどロボットが生産して人は何もしないで暮らしていける幸せな世界を描いた漫画や小説があった。少年だったころはそんな夢みたいな世界はホントに来るかなと半信半疑だった。
それが実際にすぐそこまで来ている。ところが「夢」は実は悪夢だった。
人は何もしないでもどんどん生産はするが、人がいらなくなったため給料をもらって物を消費する人がいなくなったので、皮肉なことに生産する必要がなくなったということだ。
その表現に多少の誇張はあるがロボットが活躍して人がそんなに要らなくなったのは事実である。買う人が減ったというのはモノ余りもあるが、平均給与がどんどん下がって節約志向になり、モノをあまり買わなくなった。そのために生産はすれどもなかなか売れない→デフレ傾向になる=お金の価値が上がる→ますますモノをあわてて買おうとしなくなるという悪循環に陥る。
この現象が世界規模で起こっているので輸出が盛んな日本は不況のアメリカから円高圧力をかけられ、輸出力を削がれる。欧米各国は通貨流通量を増やして自国通貨を相対的に下げ、輸出を増やそうとしているが、日本はそれをあまりやらないため、また為替介入を必要最小限しかしないため、どんどん円高になる。先月15日に2.1兆円の為替介入をして82円台を85円台に戻したのもつかのま、いつの間にやらまた82円台にならんとしている。(2日現在83円40銭)
短期的に見ればいろいろな現象があるが、マクロでみれば世界の生産力が過剰気味でモノを売る競争が激化してくるのは間違いない。省力化、生産力増大の傾向は今のままでは変わらないため、この傾向も変わらない。食料以外の必要なものは、少なくても平均的日本人の身の回りにはそろっている。
日本を救う対策は------
1地球環境配慮に貢献できる機器や製品に更新する。
2新鮮でおいしく安全な食料生産と供給体制をつくり、国の支援で食料自給率を上げる。
3住居のリニューアル・設備の更新など生活の質向上をめざす。
4国の基盤を見直し社会資本の質の向上をめざす。たとえば環境配慮、メンテナンス重視、電線地中化や街並み整備など美しい町づくりを基盤レベルと民間支援レベルで進める。
結局地に足をつけて社会全体の質を高めていくことを目指したい。余力のあるうちに輸出に頼っている現況から限られた消費をきちんとコントロールし、安い海外の労働力に依存しない建築・土木・エネルギー関連の産業シェアを高め、食料を自給しやすいよう国内生産性を高め味や安全性はあるが、高くて手に入りにくい現状を少しずつ変えていけば、国内の生産を海外の低コストの脅威から免れる体質に改善できる。
為替や株が乱高下し、会社が単なる投資の対象と化し、社員が不幸せになろうが会社がとことん利益を追求し、うつ病や自殺者が増える今の社会情勢は決してひとを幸せにしない。
どうじたばたしても、モノがどんどん売れるという時代はもう来ない。日本のGNPはどんどん下がっていく。一人一人の所得は確実に減る。これからの時代は減産社会なのだ。地球を大量消費していた今までの時代がおかしいということだ。
しかし地に足をつけ、社会が安定し、緩やかだが日々仕事に暮らしに幸せを感じる社会が必ず来る。
そういう社会を目指そうではありませんか。
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