2012年1月9日月曜日

官僚がなぜ悪いのか

このブログではたびたび官僚の「悪口」を書いています。
なぜ「官僚」が悪いのかは、詳しくは書いていません。

そこで、ここではそれに触れてみます。

官僚とは広義では国家公務員を差しますが、ここでは狭義の特権的な国家公務員を意味することとします。
そもそも国家公務員には純然たる階級差があり、1種に合格したエリートと2種の一般であります。要するに中国で近代まで行われてきた「科挙」と基本的には同じなのです。

日本は一応「民主主義国家」なので、成人国民から選挙で選ばれた代議士の中から選出された人が総理大臣になって、国家行政組織のトップとなって政治を行うこととなっています。すなわち「主権在民」といわれている仕組みです。

しかし現実には野田政権の行動をみれば、それが機能していないことがわかります。自身も認めていることですが、選挙の時国民に約束した公約(マニフェスト)をほとんど守っていないのです。

列挙するのも腹立たしいのですが、「増税しない・八ツ場ダム中止・高速道路無料化・最低年金保証・農家所得補償・天下り特殊法人廃止・議員定数削減など」は守られていない。「公務員給与削減・子供手当」は中途半端です。

なぜこういうことになるのでしょうか。
理由は行政に関する情報をほとんど官僚が握っていて、建前上その部下となっているはずの総理大臣など各省の大臣に対して、自分たちの権益を認めないと、非協力的になり、事実上「行政」も「政策」も行われないことから来ていると思われます。

これを防ぐにはアメリカのように独自に政策機構を持ち、大統領が変わるたび、官僚組織のトップが入れ替わるとか、かつてのソ連・明など容赦なく厳罰に処すとか、強力な対策が必要なのですが、今のところ日本ではそれがありません。

要するに官僚組織は自らの不利になることは、ほとんど実行しようとしないことです。また汚職など不祥事が発覚しても、戒告訓告など軽く済むことが多いのは、国家公務員法が甘いからにほかなりません。

立法など議員を補佐するのも官僚、司法の人事を握るのも官僚、これでは三権分立の建前など絵に描いた餅です。
国家公務員のなかには「国のため」という高い志をもってなった人もいるでしょうが、ほとんどが省益という小さな器の中に入らないとオミットされ、まともに仕事を与えられないような人事がされます。

官僚機構改革を強く主張する政治家である小沢氏に対し、官僚である「検事」がその組織挙げて「政治資金規正法」で罪に陥れようとして、その秘書を逮捕。その立証の過程で違法な捜査・取り調べが行われたことは明らかになりましたが、とんでもないことに裁判官まで一緒になって、「だろう」「自然である」という推認で「汚職」という罪まで捏造された「判決」まで下りました。

この裁判官は、仮に上級審で逆転判決がなされても罪に問われないのです。

また小沢氏自身は一旦不起訴になりましたが、「検察審査会」という検察の不起訴事件を取り上げる制度まで活用して、執拗に罪に陥れようとしています。検察審査会の審査員は一応民間ということになっていますが、官僚組織が巧みに選出や議決までコントロールしていることは、さまざまな事実で明らかになっています。

日本は東日本大震災・原発事故・欧州危機・超円高・赤字財政など未曾有の危機に直面しています。こうしたことに強力に対処するには、思い切った政策を実行する政治家の登場と、それを忠実に実行できるように官僚組織を改革するしか道はありません。

そのような政治家は日本には今のところ小沢氏しかいませんが、地方を見ると河村市長、大村知事、橋下市長など完全に国民目線にたった政治を行おうとしている政治家はいます。また小沢氏を支持する国会議員グループが100人程度いて、これらの動きを、ほぼ最後の希望をもって注視していきたいと思います。

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