2012年4月1日日曜日

世界の警察になろうとしている米国

米国はシリアのアサド政権を倒そうと、あの手この手で執拗に活動をしています。

日本のジャーナリズムはほとんど偏った報道しかしていないので、ほとんどの善良なる日本国民はシリアのアサド政権は平和的なデモをしている市民を平気で殺し、強権で弾圧していると思い込んでいます。

しかしインターネットでは違う情報が舞い込んできています。ジャーナリズムが単純に「シリア国民が弾圧をうけていて子供も犠牲になっている云々」と一つ覚えで不自然な報道を繰り返しているのに反して、田中宇(たなか・さかい)氏の国際ニュース解説「シリア内戦」こちらの情報はきわめて現地に近い位置から伝えていて信憑性が高い情報と思われます。

まず昨年からシリア国内の反対勢力に武器や資金援助を行い、フェイスブックなどでデモや集会を何回も呼び掛けしました。最初はほとんど反応がなかったシリア国民も、国境の町を中心に徐々にデモが始まりました。しかし一部のデモ勢力は武器を所持していて、どちらが攻撃を仕掛けたか不明ですが、そのころから死者が出始めました。

欧米や日本の報道では「弾圧」「弾圧」を繰返し、一方的な報道を繰り返しています。
そして情報元を「人権団体」と匿名でしか伝えません。みずから情報収集すれば済むことですが、そうすると、同盟国米国の意向に反した事実を伝えることになるからでしょうか。

そのうちデモ作戦もシリア全土に拡がることなく、また一部の町でも欧米が望むような戦闘の拡大にはなりませんでした。

それから米国は作戦をきりかえ、例のイラクの時に使った「国連決議での武力行使」を謀りましたが、ロシア中国の拒否権発動で、それを阻止されました。

次にアラブ連盟を使って、アサド政権を「平和的に」交代させる「和平」提案をしましたが、これも立ち消えになっています。アラブ連盟は監視団を派遣、シリアの「弾圧」状況を調査し、報告書を作成する段階になってアラブ連盟内部でも異論がでるも、親米派で議長国をつとめるカタールが強引に報告書を作成し、強制力のはないものの、「シリア非難」国連決議案を欧州と共同で提出し、決議されました。

ところが米国が支援している「自由シリア軍」は市民への攻撃を自ら認める稚拙な声明を出したために、米国は「自由シリア軍にアルカイダが紛れ込んでいる」と苦し紛れの報道をしたことも記憶に新しいところです。

最近の情勢ではその後も米国は諦めきれず、次々と干渉を繰り返しています。シリア政府幹部の資産凍結や、トルコなどの国と「有志連合」などイラク戦争時にも登場した意味不明の名称を使って「武器以外」の支援の道を探るなど、露骨な干渉を隠そうとしなくなりました。

米国は自国通貨が貿易などの決済に使われるなど、経済的には不動の地位をしめ、ソ連崩壊後はひたすら一極化の覇権主義を顕著にし、あたかも世界の警察的な役割を果たそうとしています。

各国は他国に害を及ぼさない以上、国内のことは自ら決める主権があります。その中には自国の指導者を決める自由があります。もちろん中にはミャンマーなど干渉か民主化をもたらす(とみえる)状況もありますが、ほとんどは米国の国際政策に賛同しない勢力を追い落とす手段に使われることが多いです。その最たるものがアフガニスタンでありイラクでありリビアであります。

国際的にはかなり批判をあびた対応でしたが、最近はシリアやイランに対して行っているやり方が、ほぼ同じです。それにも関わらず欧米各国政府やジャーナリズムは、不思議と御用コメントや記事あるいは沈黙を守っています。

米国はあまりに怖い存在で、逆らうと「イラク」のようになると思っているのでしょう。そうであれば、あれだけ批判・反省があったとしても、「大成功」です。

最終的には世界政府を狙っているのだと思いますが、世界の平和というより、米国のため、とりわけ金融支配という最大の目標のための世界政府である事ははっきりしていますので、これは是とするわけにいきません。一部の国際金融勢力や多国籍企業の為にすでに米国民が苦しんでいるからです。世界政府により、世界の人々がこれらの機関に利益をもたらすシステムが、着々と構築されるからです。

TPPや企業優先の政策、世界金融システムの構築が着々と進んでいること、またこれらが世界中の国や国の人々を苦しめている事が、だんだん明らかになってきていて、先覚的人々はこれに気が付き始め、システム化される前になんとかこれを阻止しようという動きが始まっています。

もちろん暴力的手段としては「カネ」をにぎるこれらの機関・組織にはかないません。悪魔のように巨大なこれらに対抗する為には、唯一体を張って止めることしかできません。これはガンジーが使った伝統的方法です。

日本のように従順な人々が多い国では、政府や米国には逆らうことができないと本能的に思っている人が非常に多いです。最近のTPPに対する動きや消費増税の動きをみると、日本の政府は国民の幸福より、いかに政府組織や米国追従のために世論誘導することに腐心しているかが、実によくわかります。

本当に国民の為を思っている政治家に対しては、いかにマイナスの印象を国民に植え付け、表舞台に立てないように、官僚である「検察」を使い裁判所まで協力して、マスゴミも一緒になり、なりふり構わず行動していることは明らかです。

常に監視し、世論操作など不正には声をあげ、いざという時は行動し、国際金融機関が目論んでいる「世界政府」には絶対反対をしていかなければなりません。

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