2011年1月22日土曜日

大企業・米利益を代弁する菅政権の爆走


2011年が始まって急に菅首相の動きがあわただしくなってきた。
昨年は自らを称して仮免許と表現したように、結果として惨憺たるものであった。

その代表格が「尖閣事件」である。菅首相が6月の鳩山内閣総辞職を受けて就任してほとんど仕事もしないまま迎えた9月の代表選挙の前にその事件は起きた。

自国領に不法侵入してきた中国漁船を海上保安庁の巡視船が警告したら、突然体当たりしてきたので逮捕したというものである。ここまではよくあることである。中国は尖閣諸島周辺に天然ガスなどの資源が明らかになった70年代以降突然尖閣諸島は釣魚島という名前の中国領と言いだした。1978年に鄧小平が日中平和友好条約批准のために来日した時、公式な場ではなく記者会見で、それまで領土問題が全くなかった尖閣諸島に領土問題が存在するかの如く発言した。

それ以来たびたび漁船が領海侵犯しては追い返されるということが起きている。中国はベトナムやフィリピンとも同様な事件を起こし、銃撃まで発展したこともある。要するに既成事実化することをもくろみ、国際事件に発展しないよう民間を使う(あるいは装う)のである。

日本政府は「体当たりをしてきた、映像証拠がある」と言いつつ、一切証拠を明らかにしなかった。これが間違いの第一。

次に代表選後新内閣の顔ぶれがそろった後の9月25日船長を釈放し、那覇地検の決定にした。これが間違いの第二。

その後の経緯はご承知の通り、参議院で仙石前官房長官と馬渕国交省大臣の問責決議を経てこの1月の更迭につなかった。

その間メドベージェフ露大統領の北方領土訪問を外交交渉で止められなかったこと、これでロシアの実効支配が世界的にアピールされてますます4島返還が遠のいた。

さらに経済的に大変な時期にあるときに内政を放置し、2回の検察不起訴になって訳のわからない「検察審査会」の起訴議決を根拠に、小沢氏を「政治とカネ」発言で攻撃し内紛を思わせる対応したことなどである。

結果支持率はどんどん急落し、通常は内閣改造後はご祝儀で上昇する支持率がわずか4ポイント上昇の29%にとどまる史上最低支持率の出発になった。

それがここにきて誰のアドバイスがあったのかもしれないが、年始の首相会見から始まって異例の国会開始前の外交施政方針演説など、「剛腕」を発揮し始めた。

ただその方針が全く国民に約束した衆院選のマニフェストに反するものであることが、非常に不条理だ。その第一が消費増税、第二に日本の農業や金融・中小企業に悪影響を及ぼす可能性のあるTPP推進、第三に政治主導をあきらめ官僚主導にシフトしたことである。

さらに全くの言いがかりである小沢氏起訴議決を根拠に「政治とカネ」発言は依然としてやまず、閣僚どころか政倫審幹事なども小沢氏を支持する議員を外すなど、徹底的に不条理な邁進を始めた。

その陰には財界・官僚・アメリカなどいろいろなバックアップや菅イメージアップ戦略をもくろむ隠れた勢力の存在が明らかになってきた。ウィキリークスによると、昨年2月時点ですでに鳩山内閣を菅・岡田に変えようと米高官が韓国外交官との会談で語ったことが外交文書公電暴露で明らかになった。アメリカは自国の利益のためには手段を選ばないことは歴史が証明している。イラクの国際的批判から少しはおとなしくしているが、本質は変わらないと見た方がいい。

その意味では国民対大企業・官僚・アメリカという政争が本格的に始まったと言える。前者を代表するのが小沢氏・鳩山氏であり、身近には名古屋市長の河村たかし氏、愛知県知事候補者である大村ひであき氏である。

民主主義の真価がいま問われている。政治が混とんとしてきても一番大事な視点は「国民」の幸福であることは疑わない。あとは大企業・アメリカの利益を代弁する菅政権と官僚がやろうとしていることが正しいかどうか、われわれ国民が情報をきちんと把握して判断をしていくことが絶対の義務である。

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