2011年1月25日火曜日

国民と既得権益者との闘い


昨年4月26日に設立された地域政党「減税日本」の総会に本日参加した。
すでに公示されている3つの選挙=名古屋市長選・愛知県知事選・名古屋市議会解散投票にあらためて勝ち抜く強い意志を内外に示した集まりだ。

ご存じのように愛知県知事選挙には元自民党衆議院議員大村ひであき氏が河村たかし前名古屋市長の政策に賛同、呼応して、衆議院議員を辞職し県知事に立候補を表明、そのために自民党を除名された。

新聞ではこの間の動きが驚きだったらしく、盛んに「ねじれ」と表現している。すなわち前回民主党の推薦で市長に当選した河村氏が自民党に在籍していた大村氏と組んで、市長選では民主党・自民党の推薦のやはり元衆議院議員石田氏と闘い、県知事選では自民党・民主党がそれぞれの候補者を擁立して大村氏と闘うということになるから、既存政党を基に理解しようとすると混乱する。

もともと13年前の藤前干潟をごみ処理場として、当時の名古屋市長が提起し名古屋市議会が承認して実施される寸前に待ったをかけたのが、共に衆議院議員であった河村氏と大村氏である。今でこそ干潟は生物の宝庫として周知されているが、当時はごみ処理のほうが難問で、危うく貴重な自然環境が取り返しのつかないことになるのを防ぐことができたのである。


すなわち党は違えど、二人の頭脳にある根本理念は全く同じなので、今日の政治的呼応は自然体であったということになる。二人が大事にしたいのは、地域・自然・庶民・暮らし・環境であり、闘う相手は税金を思うまま使い、既得権益にどっぷりと浸かっている議員・政治家・官僚・公務員・特殊法人であり、そういった互いの権益を守り合うシステムである。

そこで思い起こしてほしい。現在の民主党は名古屋でも評判が悪いが、国政でも散々だ。もう慣れていないとか、仮免許と言っている時期は過ぎた。この国難に首相の「出来上がる」のを待っていられない。菅首相が就任した6月から半年以上が過ぎているが、マニフェストを守るどころか、「尖閣問題」「露大統領択捉島訪問」「党内抗争」などろくなことはしていない。

さらにこのブログでも何度も書く通り「消費増税」「TPP」「小沢氏攻撃」「所得税増税」など官僚や米・財界に思うまま操られている様子が手に取るようにわかる。

目線が国民に向いていないのだ。政権交替した時の公約でははっきり「消費税増税」には反対している。それを転換する場合は改めて国民に信を問わねばならないが、そうする気は今の菅首相には全くない。仮に総選挙を行っても対する自民党はそもそもこの消費増税に導く法案をつくった張本人である。すなわち国民にはほとんど選択権がない。

正確に言うと民主党が変節したのは、そもそもマニフェストを主導した小沢氏を現政権の菅直人がバトンタッチした途端、完全にその影響力を排除したことから始まる。

さらに「検察審査会」という訳のわからない制度を使って、違法性が全くないのにかかわらずまさに小沢氏を起訴しようとし、長期間「被疑者」扱いし、それとタイアップした大メディアが国民に繰返し「ダーティ小沢」のイメージを植え付け、二度と小沢氏が民主党に影響力を行使しないように画策している。

2年前河村たかし氏が名古屋市長に立候補しようとしたとき、民主党からの推薦が難色を示した時、小沢氏が民主党愛知県連を説得したことがあったが、今にして思うと政治理念が小沢氏と近いのがその理由であっただろう。小沢氏の目線も同様に国民の生活が第一である。

全てはこれで謎が解ける。現民主党は菅・前原・枝野・岡田・仙石に支配され、既得権益を守ろうとする官僚・大企業・米・マスメディアが国民から税金を搾り取る算段をしているのである。

小沢氏・河村氏・大村氏は国民を苦しめる税金をできる限り少なくするために、官僚(公務員)・議員の給与を下げ、財政の無駄を切り詰め、議員の数を減らし、組織を変えようとしている。また小沢氏は米に隷属する日本のあり方を対等に主張できる姿にシフトしようとする考えを持っている。

この2大勢力すなわち「国民」と「既得権益」の闘いだ。前者は数は多く建前上は主権があるがテレビ・新聞というマスメディアにからきし弱い。後者は巧みに権謀術数を使って国民や議会を騙す。システムを牛耳った方が勝ちとなれば、後者は侮れない。

国民はこの巧みな権謀術数を見破って、真に主権者たる目を養って真に国民による国民のための政治を目指さなくてはならない。

2011年1月22日土曜日

大企業・米利益を代弁する菅政権の爆走


2011年が始まって急に菅首相の動きがあわただしくなってきた。
昨年は自らを称して仮免許と表現したように、結果として惨憺たるものであった。

その代表格が「尖閣事件」である。菅首相が6月の鳩山内閣総辞職を受けて就任してほとんど仕事もしないまま迎えた9月の代表選挙の前にその事件は起きた。

自国領に不法侵入してきた中国漁船を海上保安庁の巡視船が警告したら、突然体当たりしてきたので逮捕したというものである。ここまではよくあることである。中国は尖閣諸島周辺に天然ガスなどの資源が明らかになった70年代以降突然尖閣諸島は釣魚島という名前の中国領と言いだした。1978年に鄧小平が日中平和友好条約批准のために来日した時、公式な場ではなく記者会見で、それまで領土問題が全くなかった尖閣諸島に領土問題が存在するかの如く発言した。

それ以来たびたび漁船が領海侵犯しては追い返されるということが起きている。中国はベトナムやフィリピンとも同様な事件を起こし、銃撃まで発展したこともある。要するに既成事実化することをもくろみ、国際事件に発展しないよう民間を使う(あるいは装う)のである。

日本政府は「体当たりをしてきた、映像証拠がある」と言いつつ、一切証拠を明らかにしなかった。これが間違いの第一。

次に代表選後新内閣の顔ぶれがそろった後の9月25日船長を釈放し、那覇地検の決定にした。これが間違いの第二。

その後の経緯はご承知の通り、参議院で仙石前官房長官と馬渕国交省大臣の問責決議を経てこの1月の更迭につなかった。

その間メドベージェフ露大統領の北方領土訪問を外交交渉で止められなかったこと、これでロシアの実効支配が世界的にアピールされてますます4島返還が遠のいた。

さらに経済的に大変な時期にあるときに内政を放置し、2回の検察不起訴になって訳のわからない「検察審査会」の起訴議決を根拠に、小沢氏を「政治とカネ」発言で攻撃し内紛を思わせる対応したことなどである。

結果支持率はどんどん急落し、通常は内閣改造後はご祝儀で上昇する支持率がわずか4ポイント上昇の29%にとどまる史上最低支持率の出発になった。

それがここにきて誰のアドバイスがあったのかもしれないが、年始の首相会見から始まって異例の国会開始前の外交施政方針演説など、「剛腕」を発揮し始めた。

ただその方針が全く国民に約束した衆院選のマニフェストに反するものであることが、非常に不条理だ。その第一が消費増税、第二に日本の農業や金融・中小企業に悪影響を及ぼす可能性のあるTPP推進、第三に政治主導をあきらめ官僚主導にシフトしたことである。

さらに全くの言いがかりである小沢氏起訴議決を根拠に「政治とカネ」発言は依然としてやまず、閣僚どころか政倫審幹事なども小沢氏を支持する議員を外すなど、徹底的に不条理な邁進を始めた。

その陰には財界・官僚・アメリカなどいろいろなバックアップや菅イメージアップ戦略をもくろむ隠れた勢力の存在が明らかになってきた。ウィキリークスによると、昨年2月時点ですでに鳩山内閣を菅・岡田に変えようと米高官が韓国外交官との会談で語ったことが外交文書公電暴露で明らかになった。アメリカは自国の利益のためには手段を選ばないことは歴史が証明している。イラクの国際的批判から少しはおとなしくしているが、本質は変わらないと見た方がいい。

その意味では国民対大企業・官僚・アメリカという政争が本格的に始まったと言える。前者を代表するのが小沢氏・鳩山氏であり、身近には名古屋市長の河村たかし氏、愛知県知事候補者である大村ひであき氏である。

民主主義の真価がいま問われている。政治が混とんとしてきても一番大事な視点は「国民」の幸福であることは疑わない。あとは大企業・アメリカの利益を代弁する菅政権と官僚がやろうとしていることが正しいかどうか、われわれ国民が情報をきちんと把握して判断をしていくことが絶対の義務である。

2011年1月17日月曜日

おかしな建築たち⑨


私は木造が大好きです。何よりその暖かさが最高ですね。
特に古民家など明治以前の建物はなかなか素敵です。

その理由は構造に正直なところ。気持ちいいですね。

同じ木造でも戦後の建築はからきしウソが多いです。
まあ建築自身が悪いわけではなく、戦争中空襲で沢山の木造建物が燃えそのトラウマで木造は燃えやすい、外壁は不燃化しないと瞬く間に火災が広がる、という反省から都市防火が始まりました。いわゆる準耐火建築ってモノです。



冒頭の建築物も外観はこうなってしまうのです。とても同じ建築物に見えませんね。
この建物はとある神社の公衆トイレです。この程度の小規模建築物では特に義務付けられていることもなく、神社という雰囲気を壊してしまうので、特にこれは違和感を感じた次第です。

最近政府が国内の放置林対策として、公共建築の木造化を政策として挙げました。規模が大きくなるので木造に見えない木造建築が増えそうですが、木造建築の好きな人たちからは何とか木組を表した準耐火建築物はできないかという研究に熱心で、ほぼそれは現実のものとなっています。

だれでも「木は燃えやすい」と思うのですが、これは正しくありません。「木は表面が燃えると内部は燃えにくくなる」が正解です。もちろん薄い板状のものは「内部」がほとんどなく、最低25mmくらいはないとこの原理は使えません。そうすると木組を表した木造建築が可能というわけです。

木造建築復権が楽しみですね。

2011年1月12日水曜日

おかしな建築たち⑧


このシリーズの1回目で建物とフェンスの間の花壇を取り上げましたが、今度はもっとすごい。
建物とフェンスの間が人1人が横になってやっとはいれるくらいの幅しかないのです。

よく見ると塀の上にも侵入防止の剣突が設置してありますが、すぐ横には乗り越えられそうなフェンスがあり、あまり意味がないように見えます。
ただしそれ以前に、塀を乗り越えても建物本体の窓がガラスブロックでできていて、とても破れそうにもありません。あえて侵入する泥棒はいなさそうです。

塀に近寄って建物との間の空間を覗き込むと、案の定ゴミや空き缶がいました。不逞の輩は捨てやすい環境を目ざとく見つけるものです。掃除が大変そうですが、あえて覗き込むへそ曲がりは私くらいなものですから、植栽の時と違ってあまり気にならないかもしれません。

事務所ビルと思しき建物ですが、ずいぶんコストをかけています。化粧ブロックとアルミ鋳物でできた塀も立派です。ですので目的は立派に見せることだと理解するしかないようです。

2011年1月5日水曜日

菅政権年頭記者会見にみる国民最大不幸性

あけましておめでとうございます。
新年を迎えてから5か目では少々遅い御挨拶ですが、どうも休みはブログもなにもフリーになってしまうようです。
今年はツイッターのように気軽に発信したいと思います。

さて正月三が日は当初の予想に反して比較的穏やかでしたが、菅総理の年頭記者会見は穏やかそうに見えてなかなか今後の政治の厳しさを予感させるものでした。
要点は3つですが抽象的でわかりにくいです。
1.平成の開国
2.最小不幸社会をめざす
3.不条理をただす

具体的に述べたことは
A.TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の推進
B.消費税増税を検討
C.小沢氏が強制起訴された場合、自主的議員辞職を促す

とどれもこれも国民が直面している経済的な状況を好転させるには程遠く、理念のない支離滅裂な年頭記者会見でした。

不可解な夢のない羅列の背景を読み解くには、現政権が国民でなしに何に重点を置いているかを見極めたうえで理解すると分かりやすいと思います。

菅政権の力点は
1.官僚に気に入られる
2.アメリカに気に入られる
3.大企業に気に入られる
4.マスコミに嫌われない
5.民主党内での小沢氏の影響力を排除する

ということに置かれているということを見抜けば政策はわかりやすく見えてきます。そして国民に対する害が見えてきます。

「TPP」は関税を撤廃する、金融・労働市場など経済活動に関する国と国との障壁を撤廃しようとするものですが、アメリカが自国の経済的な行き詰まりを他国との貿易や金融市場などに活路を見出そうとしているもので、日本としては自動車・家電などを輸出しやすくする代わりに圧倒的に安いアメリカの農産物などを許容しようというものです。

ところがこれは日本の農業などに壊滅的な打撃を与えるほか、以前小泉竹中が進めた金融自由化などいわゆる「新自由主義」をさらに推し進め、ゆうちょなど豊富な資金をアメリカに誘導しやすくするというのもくろみも隠されています。

アメリカは何百億円相当の紙幣の発行高を増やし、ドル安景気回復策をとっていますが、さらに回復を進めるためには日本の資金が欠かせないのです。現在は政策として米国債を日本政府に買わせ残高は200兆円ともいわれていますが、日本政府は国民に明らかにしてはいません。アメリカは借金大国なので国債の価値を下げるすなわち金利上昇を招くとさらに財政状況を悪化させるのです。

次に「消費税増税」は今回の「法人減税」の財源として今回はなんとか埋蔵金7兆円でしのいだが、この次は明らかに歳入不足になることを見越しての増税で、完全に官僚の意向を反映したものであります。法人減税と抱き合わせると国民の反発が強いことから、これをかわすために時期をずらす姑息な手段を考えたものです。

参議院選挙大敗で一旦引っ込めたにもかかわらず、「消費税増税」を徐々にちらつかせているのは国民の意向を無視しているとしか言いようがありません。国民は行政改革をきちんと実施したうえで、最後に頭を下げて増税ならやむをえないと考える人は多いにもかかわらず、行政改革を実行することを約束していないのはやはりマニフェストを無視しています。

民主党の小沢氏排除は上記の文脈からみると、次の通り見事に謎ときができます。
すなわち小沢氏の政治理念が「日本国民中心で、アメリカの従属、官僚主導から脱却したい。自分に対するもののみならず、村木厚労局長逮捕など、何らかの意図をもって負のプロパガンダを繰り返すマスコミの偏向した報道を何とか改善しよう」と考えていることが、官僚・アメリカ・マスコミがこぞって面白くない。

これの勢力が小沢氏排除をもくろみ、菅・仙石・前原・岡田らの現閣僚、党幹部らの党における自らの勢力拡大、小沢氏の影響力排除の思惑がそれに合致したことにより、繰返し繰返し反小沢プロパガンダが続いている理由である。

小沢氏の政治資金規正法に対する疑惑が全く無罪であるにもかかわらず、しかも本来全ての議員に向けられるべき政治倫理がたった一人の政治家だけに向けられることはなんとも理解しがたい。

彼らは国民がマスコミのプロパガンダに非常に影響されやすいことをよく知っています。彼らに政治的中立性や国民の利益を期待することができない以上、国民自ら情報媒体が新聞テレビに偏らず、インターネットなど他の媒体も併用することによって正しい情報とは何かを自ら掴んでいかなければならないのです。