戦後米国はソ連の勢力拡張と中共の成立と周辺諸国への共産主義勢力伸長に対抗するため、日本占領方針を大きく転換した。
すなわち日本に再び軍国主義が台頭するのを抑えるため、徹底的な戦争放棄による平和主義と民主主義定着の方針から、旧支配層官僚層を戦犯から一躍政治の表舞台に出す代わりに、米国に従属する体制を作り上げ、自衛隊という軍隊を復活させ、共産主義からの防波堤に日本を位置付けることへの転換を成し遂げた。この体制は政治家から官僚、経済界、マスコミ、右翼までに及び、現在に引きがれている。
日本が戦後の経済成長からオイルショック、バブル崩壊を経て、ゼロ成長やデフレ経済に陥り、さまざまな社会の行き詰まりに直面しているのに加え、3.11の東日本大震災それに続く原発事故は日本社会へさらに大きな課題を投げかけ、これらに対する有効な対策・政治方針を打ち出せない政治に対する完全な不信感が、国民の間で蔓延している。
なぜ政治家は有効な政策を打ち出せないでいるのか、それは官僚を中心とした旧来の政治支配体制が、これらの問題に最も有効な解決方法に向かうことを妨げているからである。そなわち官僚は以前からの方針を大きく転換することは不可能であり、官僚に頼っていた政治家は自ら政治理念を磨くことや政策研究をせず、筋の通った思い切った政策を打ち出せないでいるからである。
そして、官僚マスコミ経済界に巧妙に配置された対米隷属体制も、日本が国益に沿った有効な政策を打ち出す事を妨げるばかりか、それらの勢力は対米独立路線を主張する政治家に対して、総力を挙げて影響力を排除することを繰り返してきた。
国民主権であるがために、国民が日本の為にだれが正しい政治家であるかを認識させる前に、マスコミの影響力をフルに活用して、これらの正しい政治家が悪いことをしていると間違った認識を受け付けるために、繰返し繰返し報道する。すべて究極の目的は、日本の国益ではなく米国の機嫌を取るために存在すると言って過言ではない。その理由はTVという重要な報道手段が成立した過程にあるという。
いま政治家たちは大きく2つに分かれている。対米従属を金科玉条とした官僚・経済界・マスコミに対しておもねる従来路線をいく既存政党、そして対する第3極といわれる、官僚支配から脱却し、戦後支配体制から脱却しようとする政党だ。
しかし第3極と言われる側も、やはり依然として対米従属を暗に受け入れている勢力もある。
これらを見分ける最強のリトマス試験紙がTPPである。
TPPは単に農業を破壊するだけではない。国民の利益を守る法律より、米国を中心とした多国籍企業の利益を優先するまさしく主権の一部を放棄する条約なのである。
その分野は農業・貿易だけでなく、医療・介護・雇用・金融・保険など様々な分野に及ぶ。すべて米国の国益を優先される。それが対米従属を見極めるリトマス試験紙と述べた理由である。
日本は核兵器こそ持たないが、相当な防衛力をもつ独立国家である。なぜこのような国に世界に最も米軍基地が存在しなくてはならないだろうか。いまや共産主義と言う拡張主義の脅威は存在しない。むしろ米国の強大な軍事産業の為に、戦争を欲していると言って過言ではない。まさしくこのアジアを戦場とするアメリカの政策が着々と進行しつつあるように見える。
マスコミも中国の印象を悪くする報道を繰返し、これに反応した政治家がさらに対中強硬路線を主張する。これらの連係プレーが何のためになされるかは、明らかである。
これから始まる総選挙はまさしく、対米従属政党と対米独立政党の天下分け目の決戦である。
マスコミは巧妙に2大政党を持ちあげ、対米従属脱却を目指し、TPPに強く反対する「真正第3極」を巧妙に無視する。
真に日本を愛する国民は、これらの既得権益勢力にあらゆる民主的手段で対抗していかねばならない。
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