2012年8月15日水曜日

敗戦記念日に思う。次なる戦争の足音に注意をしよう。

きょうは敗戦記念日。
私の父親は16歳で予科練に志願し、特攻隊でなく中国で転戦し、終戦を迎えた。
もし特攻隊に所属していれば、いまごろ私は存在していなかったかもしれない。
アメリカは当時のGDPで10分の1くらいしかなかった日本を追い落とすため、計画的な対日戦に追い込み、日本は勇ましさと意地だけで勝算のない太平洋戦争に突入させた。日本人の死者は軍人・軍属だけで230万人、一般人は80万人もの数を数え、第2次世界大戦全体では死者6000万人と未曾有の被害を世界にもたらした。

世界で2度の大戦の原因は経済的行き詰まりを、領土拡張により打開しようとしたこと、軍備を拡張することにより領土的野心が増長したことにある。当時は領土を奪えるという暗黙のルールで国際社会は成り立っていた。そしてその結果が、先の未曾有の被害である。

第2次世界大戦後は民族自決主義により、次々と独立国家が誕生した。
そしてその後はソ連の崩壊もあり、アメリカは世界に覇を唱えた。

領土という物理的な戦争原因から、自由主義対共産主義へとイデオロギーへ、そしていまは経済上の争いや金融システム上の争いへと変遷したのである。

最終的な狙いは経済上の優位であり、アメリカは国をあげてこれに取り組んだ。莫大な軍事予算もいずれはペイするという目論みである。

しかしアメリカはドルを増刷できるが、その価値は相対的に下がり、安価な労働力で経済的により優位にたったBRICsなど新興国の台頭をもたらす事になった。

アメリカの最終的な目的は永久に経済的優位に立てることである。そのために邪魔な行動をとる国、例えばオイルマネーで経済的に優位に立ちながら、アメリカの秩序化に入ることを良しとしないイラク・リビア・イランなどの国の追い落としに躍起になり、「正義」「テロとの闘い」をお題目にイラク・リビアの指導者殺害に成功して、さらなる目標をシリアとイランそして、アジアでは中国を包囲しようと目論んでいる。

中国を仮想敵国とした動きはオーストラリアの軍事基地強化・ミャンマーの取込み、そしてTPPと、矢継ぎ早な布石に表れている。「軍事同盟国」日本はアジアで最大最強の軍事基地を保有し、この最前線に立たされているが、それが新たな戦争へと向かう自覚が国民にはない。

先の大戦の原因が、明らかに経済的行き詰まりの打開から起きていることに思いを馳せれば、軍事力をバックに、経済的な優位を確立しようとする事は、まさしく現代の戦争の主原因である。

「民主的」や「自由」を旗印にしながら、自国の経済・金融システムのルールを強制し、軋轢を起こす動きこそ、警戒しなければならない。

次に戦争が起きれば、まさしく世界の破滅へと進む、そしてその最先端がアジアから起き、運よく世界の破滅は免れたとしても、最前線の日本は破滅からは免れない。
安易に対中国プロパガンダに乗っかることは、こうした先行きが待っていることを自覚しなければならないのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿